40年前の軌跡
今から約40年前、私の祖父が偶然見つけた一つの「ニホンミツバチ」の群れから始まりました。
祖父は40年前の春、自宅近所の木に一つの蜂球(ほうきゅう)を見つけました。
蜂球とは、分蜂1の際に一時的に木などに下がってできる蜂の群れの塊のことですが、
そのニホンミツバチの群れは、数日経っても中々飛び立たない。
行き場を無くしてしまったのだろうと不憫に思った祖父は、
そのニホンミツバチの群れを保護するため、自宅に連れ帰ることにしました。
祖父は、来る日も来る日もその群れを、ただ見守り、観察を続けます。
梅雨に入り・・・
梅雨が明け・・・
やがて蝉の声が聞こえ、夏らしくなり・・・
収穫の時がやってきました。
地蜜の収穫は、毎年7月末~11月末頃。
その年は、沢山の蜂蜜が採れたため、ご近所の方にお裾分けをして回ったのだそうです。
ここから祖父は本格的に試行錯誤を重ね、
40年経った現在も毎朝、元気に山へと出かけ地蜜事業を営んでいます。
今年(2023年現在)で81歳の祖父は、偉大な人です。
孫である私がいうのも変かもしれませんが、
私の尊敬する祖父は誰にでも対等に分け隔てなく接することができる素晴らしい人です。
そんな祖父がニホンミツバチに出会って以来、大切にしていることがあります。
その1
野生ニホンミツバチの蜂蜜を
そのまま提供する
- 日本みつばちが蜜をためる工程〜瓶詰めの工程まで、人間が手を加えることは絶対にしてはならない(餌付けをしない)
その2
適正価格で販売すること
- 適正価格で販売し、一部の人しか食べれないなどといった供給の偏りがあってはならない
皆さんご存知のように本来、蜂蜜というものは高価なものです。
特に地蜜の収穫は、天候に左右され収穫量もその年により異なるため、
全く収穫のできない年もあったり、需要はあっても供給ができないなんてことも稀にあるのです。
そのことから市場価格は高騰していますが、当店は適正価格での販売を続けて参ります。
私は今後も祖父の思いを引き継ぎ、お客様に信頼いただける「日本みつばち工房」でありたいと思っております。
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
地蜜専門家 脇山裕也
- ぶんぽう
みつばちの分蜂とは、独立・分家の意味を指します。
蜂の世界というのは、毎年女王蜂が誕生します。
実はこの分蜂、滅多に見ることのできないもので、
そこを住処としていた蜂等は、女王蜂の女王交代がくるたびに次の巣へ引っ越します。
分蜂する前に、既に次の住処を決めているためその引っ越し時間はわずか30分程。 ↩︎

